2008年11月19日

即興演奏について 簡単な和声で練習する3

まさかこんなにスローペースの更新になるとは思っていませんでしたが、そうなってしまいました。ようやく4回目です。


即興演奏はリアルタイムで作曲しながら弾くという行為ですので、頭でいろいろ計算することが増えるととても大変です。そこで、なるべく考えなければならないことを減らして弾けるように工夫する練習をしています。慣れてくると手癖とかパターンの引き出しのようなものも出来てきますが、それでは純粋な即興演奏としてはおもしろくないと思います。それで、なるべく常に新しい音楽を生み出していくためのアプローチを考えて練習しています。


複雑なメロディの流れも、要素だけを取り出せば至極単純なフレーズに分解できます。

下図は、ショパンの夜想曲第1番(Op.9-1)から、出だしの部分です。ごちゃごちゃしていますね。

noct9-1.gif(クリックで拡大)

夜想曲…落ち着いた静かな雰囲気の音楽、のはずですが、曲のしょっぱなからこちょこちょと複雑なフレーズです…。天才の書く音楽ですから、仕方ありませんね。


でも、このメロディーのほとんどは『飾り』です。このメロディーを分解して、要素だけを取り出していくと大体下の図ような感じになります。

譜面11 ノクターンのイメージ(クリックで拡大)

変な譜面ですみません。これは分解の仕方がどうこうではなくて、僕がもしこの曲を演奏するとしたら、頭の中ではこんなイメージに整理されている、ということです。


即興演奏では、この逆をやればいいわけです。

つまり、単純な音型をイメージして→それに飾りを付ける、という方法でフレーズを作っていけば、頭の中で考えるのをサボることができます。

サボる方法1 トリルとターン

トリルは簡単なので、省略します。ドレドレドレドレ…というやつですね。これは一番楽なサボり方ですが、ついつい使い過ぎてしまいがちです。あまり多用するとアイデアが枯れているのがバレバレになってしまいますので、僕は特に使いたいとき以外はトリルは避けよう、という気持ちで弾いています。そうするとちょうどよい感じになります。


もうひとつ簡単な飾りは、いわゆるターン「ターンのマーク」というやつです。レドシド、とかドレドシド、とか弾く飾り方です。これを応用して使うだけでも、動きのある音型に聞こえてきます。

一例をあげます。下図のようにとても単純なフレーズを考えたとします。フレーズというか、和音の音をひとつ弾いただけのものです。例によって変イ長調で書いています。

譜面7

上の図は、弾いている最中に頭の中にあるイメージの楽譜です。これをターンっぽく飾ってみると、

譜面8 ターン1

こんな風になるでしょうか。でも、これはちょっとかしこまり過ぎていてつまらないですね。ここからはセンスの問題です。他になんでも思いつく形で飾ってみます。例えば

譜面9 ターン2

とか。これなら、よりおもしろくて躍動感があります(それに、より『ワルツらしい』フレーズです!)。あるいは、逆向きのターン(シドレド)を利用して

譜面10 ターン3

とか。こうやっていろいろ遊んでいると、ときどきハッとおもいがけないフレーズが飛び出してくることがあります。これが即興演奏の醍醐味です。最初の譜面、ショパンの夜想曲でも、はじめの小節のA音が繰り返しの3小節目ではターンで飾ってありますね。いろんな楽譜を調べて参考にしています。


次回は、その他のサボる方法をいくつかご紹介します。


リンク→「即興演奏について」の以前の投稿
posted by いのじゅん at 23:37 | TrackBack(0) | 即興理論
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