2011年04月28日

即興演奏について 倚音について

ずっと前に、次は倚音(いおん)について書きますと言っておいて、今日まで放ったらかしにしてました。やっとです。


昔勉強中の頃、師匠に「イオンってなんですか」と問うたところ、

「ビートルズのイエスタデイの出だしの音だ」

と仰っていたのを覚えています。あれは確か出だしのコードがF(ファ・ラ・ド)で、「Yesterday〜」のメロディがソファファ〜なんですよ。あってましたっけ??

そんなふうに和音の隣りにある音がまず鳴って、それが次に和音の音におさまったら倚音です。単純なものなんですけど、言葉だけで分かりやすく説明するのは難しいですね。

僕は倚音こそがクラシックの真髄だと思っています。

クラシックの作曲家は、ひたすら音の縦の響きと横の揺れ動きを研究してきた人たちだと思います(ロマン派までは)。人間の心理として、不安定なものが安定に向かうと気持ち良さを感じます。つまり不協和音から協和音へ。これをクラシックでは難しい音楽用語で「解決」なんて言って、とても重要視しています。それをいろんな方法で何度も何度も、ひたすら繰り返すのがクラシックです。根本的には、ただそれだけをやっているといっても過言ではないと思います。

協和音はきれいな響きですが、ずっとそればかり鳴っていても、清潔感はありますが、おもしろくありません。不安定な音は安定した音に着地したい欲求があります。その欲求に応えるのがおもしろいのです。倚音はモロにそれをやっているわけです。


即興演奏で倚音を使いこなすのは難しいと思います。ドミソの和音を頭でイメージしたときに、ドミソ以外の音をバチーンと出さなければいけないので混乱しやすいと思います。ジャズをやっている人は普段からテンションノートをガンガン使っていて不協和音に慣れているでしょうから、もしかしたらこういうのは得意かも知れません。

下の譜面は、倚音のちょっとした練習課題になっています。最初のドミソの音にならって、赤で囲ってある部分に2分音符で和音を埋めていく問題です。ハ長調のI度和音とV度和音のどちらか、つまりCとG(7)のどちらかを置きます。

(クリックでちょっと拡大)
譜例22.gif

もちろん紙に音符を書いていく筆記問題ではなく、即興で弾いてください、という課題です。もし指定のテンポで、一発で和音が付けられたなら、かなり即興の才能があります。ですからそれができたら次の段階として、これを適当な調へ移調して弾く練習をしてみると良いと思います。移調の際にあらかじめ旋律を確認せず、ひとまずいきなり弾いてみる方が良いです。いくつかの調で弾いてみて、これも一発で弾けたなら、免許皆伝!です。すでに十分即興の基礎ができている脳になっています。

下の譜面は解答例です。

(クリックでちょっと拡大)
譜例23.gif


もし全く歯が立たなくとも、何も考えずにこの解答例を毎日弾いているだけでも少しずつつかめてくると思います。倚音だけでなく、近い仲間の掛留音や逸音も知らないうちに使いこなせるようになると思います。多分。僕は左手の伴奏をいろんな形で弾く練習を、かなりじっくりやっています。例えばアルベルティ・バスで弾くなどです。


下の音源はおまけですが、今日は倚音の話ということでなるべく(無理矢理)倚音を使うよう頑張って弾いてみた即興演奏です。拙作ご容赦ください。



posted by いのじゅん at 01:21 | TrackBack(0) | 即興理論
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