2011年08月30日

即興演奏について どれだけ覚えなければいけないの?

クラシックは理論ガチガチなので、少なくとも覚えなければいけないことはたくさんあるように思います。ある程度おもしろい即興演奏をしようと思ったら、どれくらいのことを覚えた方がいいのかなと思ったので、羅列しました。

ちょっとうんざりするけれど、もし覚えてみたい、という方がいらっしゃったら、一気に覚えようとせず、少しずつ練習中に取り入れながら、頭ではなく指で覚えていった方がいいように思います。


1.全ての調性の長音階、短音階

長音階はまだいいですけど、短音階は三種類(自然短音階・和声的短音階・旋律的短音階)あるので面倒ですね。でもなぜ三種類もあるのか、ということを深く掘り下げて説明している本やサイトはあまりないようなので、また別の機会にその辺も書けたらいいなと思います。

長調12 短調12×3=36
全部で48種類!


2.全ての調性の固有和音

よく見かける下の表のようなやつです。ポップスでは「ダイアトニックコード」と呼んでいます。このうちIIIとVIIについては、特別な場合以外あまり積極的には使いませんので、覚えなくても良いです。短調にカッコ付きでシャープ♯が一つありますが、クラシックでは、短調でもV和音は必ずメジャーコードで使いますので、半音上げで覚えた方がよいでしょう。

C dur(C major)
譜例24 Cダイアトニックコード
a moll(A minor)
譜例25 Amダイアトニックコード

I、II、IV、V、VIの5種類×24の調性=120

さらに長調のとき同主短調(ハ長調ならハ短調)の和音を借りてくる準固有和音もありますが、これはあえて暗記しなくとも、やっているうちに自然と使えられるようになる(多分)ので省きます。

他にIIについては7th、Vについては7thや9thも非常によく使用するので、覚えたほうが良いと思います。特に短調のII7和音は、「マイナーセブンフラットファイブ」「ハーフディミニッシュ」などと呼ばれている、とても使い勝手の良い和音です。長調の曲にこれを借りてきて使うとドラマチックになります。ショパンのエチュードに分かりやすい例がありました。Op.10-1の、7小節目に出てきますね。

(譜面付きの動画がありました!バス音がGになっていて、倚和音として使ってますね)



ちなみに「覚える」というのは、例えば

「ハ短調のVI和音は?」

ときかれたら即座にラ♭ドミ♭の和音が弾けるようにする、ということです。口で答えられるようにする必要はありませんが、とにかく即座に弾けないと即興で使えませんので、そらで覚えてしまうのが良いです。キツいですね…。


3.借用和音

勉強しはじめたらキリがありませんが、副5度だけでも覚えると良いです。ポップスでは「セカンダリードミナント」と呼んでいるあれです。全ての調で、II、IV、V、VI和音の各ドミナントを覚えます。ただ、これは2.の固有和音を完璧に覚えればクリアできます。


4.近親調

属調(V度調)や下属調(IV度調)については、1.の音階と2.の固有和音を覚えた時点で問題なくクリアできます。それ以外に、平行調をそらで覚えた方が良いです。例えば

「フラット5つだったら何調?」

ときかれたらノータイムで

「Des dur(変ニ長調)かb moll(変ロ短調)」

と答えられるようにします。口で即答できなくとも大丈夫です。でも指では瞬時に答えられるようにします。ちなみに僕は口で答えるのは時間がかかってしまいます。「えーと、変……ニ長調」とかなってます。弾けりゃあいいんです。

シャープ、フラットそれぞれ7つずつあるので、何も無しと合わせて全部で15種類です。このうち、シャープ7つ、フラット7つについては理論として知っておく必要はありますが、暗記しなくても演奏ではなんとかなります。理由は、ピアノで弾いてみれば分かります。


5.変化和音

特に短調の和音の連結についてはいろいろと厄介だったので、昔の人は色々工夫をしてきました。その結果「増6の和音」や「フランスの6」「ドイツの6」「ナポリの6」などいっぱいできてしまいました。即興演奏でこういう和音を自在に扱えれば素晴らしいのですが、なかなか大変です。感覚でこういう和音を使いこなせるようにするのが理想ですが、そうはいかないかも知れません。それでも増6の和音だけでも覚えるようにすると良いと思います。好みの問題ですが、この和音はとても素晴らしい和音です。

ちなみに僕はこの辺を苦手にしているので、最近は短調の即興ばかり練習しています。


もちろんたくさん覚えればそれだけいろんな表現が使えるようになります。でもそれだけでクラシック即興ができるわけではなく、作曲の知識がちょっぴり必要です。でも作曲の理論を書きはじめるとここの主旨からどんどんはずれていきますので、特には書かないでおきます。

最終的には「es moll(変ホ短調)でナポリの6度を使って」と言われたら、例えば

譜例26 ナポリの6度
(音源)


のように、終止形までまとめた形をさらっと弾けるようにするのが理想です。ここまでできるようになればクラシック風即興の基礎はマスターしたも同然です。


いきなり全部の調性を勉強しようとすると大変なので、はじめに一つの調性について上の1.5.を集中的にさらったら、次はその近親調(属調か下属調)に移ってまた1.5.…という方法で順番にやっていくのがおすすめです。最終的に一周してはじめの調に戻ってくるので、そこがゴールです!


と、偉そうに書いている僕ですが、僕も勉強が不十分だったり、苦手な調はいっぱいあります。

というわけで頑張ります!

posted by いのじゅん at 02:05 | 即興理論

2011年08月23日

お盆なのに

ちょっと前の話ですけど、14日はピアノ座談会というものに誘っていただきました。

即興ピアノ弾きが僕を含めて6人も集まりまして、かわるがわる即興演奏を延々弾きまくるだけというものでしたが、なかなか白熱したバトルが繰り広げられました。

普段自分がやっている即興とは音楽のタイプが全然違っていて、とまどいもありましたけど、かなりおもしろかったです!

ブルースにも初挑戦しました。やってみて、僕にはちょっと向いていないような気もしましたが、新鮮でした。


それにしても、高橋賢一さんがいろんな意味で凄かったです!

先日初めてお会いしたときは、キース・ジャレットのネタ話に花を咲かせ、一時間にわたってマシンガン・トーク。それでもまだまだ話し足りなさそうな様子で帰られました。

そしてこの前の座談会では最初から最後まで全開で、首を縦に振り、横に振り、弾いている音を歌いながら……ノリに圧倒されました。僕は最後の方はかなり疲れていて、もうピアノに触りたくない、という感じでしたが、高橋さんはあれだけのテンションで弾いていたにも関わらず、まだまだ弾き足りなさそうにしておられました。


僕はまだまだ修行が足りませんね!!

なんだかよく分かりませんでしたが、なんとなく悔しかったので、家に帰ってから弾きまくりました。

posted by いのじゅん at 00:36 | 日記
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