2013年05月18日

なんというか、YAMAHAのあれですけど

あの例のグレードの即興課題なんですけど、前からなんか引っ掛かっていた違和感というか、そういう晴れない感じの正体がなんとなく分かりました。

あれは才能を育てるシステムではなくて、仮に才能があったとしてもその芽を潰してしまうシステム、ということですよ。即興っていってるけど、全然創造的なものではないし、だいたいパターンを訓練すればできるようになるし、要領とかコツとかを覚えるだけのモンですから。

例えるなら、勉強のできる秀才はあの試験で作れますけど、相対性理論(バンドじゃないよ)を打ち立てるような天才は育てられない。あの試験が音楽界にとって何の意義があるのか、正直よく分からない。就職に役に立つ?…役に立つのはYAMAHAの講師に就職する人くらいじゃないかなあ。

と、まあ、つまらないこと考え始めたらキリがないんですけど、でも需要があるならそういう思いも割り切って、教材作ってみたいな、と思います。頑張ろう。

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ところで話は変わりますけど、僕らみたいに音楽人でない人に音楽を教える事の難しさというものをひしひしと感じる近頃です。><

音楽をちょっとでもかじっている人なら、「ここ、ちょっと歌のメロディー変えますね」なんてことがあっても、すぐに対応できるのですが、いわゆる一般人にはこれが相当難しいらしいのです。何度やっても直らない。やっと直ったと思っても、次の週になったらまた忘れているという・・・。つまり、音楽の先生は大変だということですよ。だからボイトレのレッスン料はあんなに高いんだ、きっと。

posted by いのじゅん at 22:12 | 即興理論

2013年04月11日

音楽教材を作りたくて、いろいろと

アイデアを考えていたのですけど、なかなか具体的に動き出さず。あきらめかけていました。

睡眠不足で疲れて帰ってきて、お酒飲んだらものすごく眠くなってバタンと昏倒して、起きて、寝ている間に思いついたことをまとめました。寝ていたのに思いついたとか何をいってるのか、と突っ込まれそうなんですけど、思いついたんです!!

ヤマハグレード受験者向けの、即興演奏の教材なら作れるかも!

これならわざわざ人に講師頼まなくても、自分でできそうじゃないですか。というか、自分が他人に教える事ができそうなのって、これが唯一では。じゃあやりましょうよ。

きっと即興演奏の課題は、苦労している人は多いと思うのですよね。教えられる人も他の課題に比べてずっと少ないのではないでしょうか。以前もチラッと言っていた気がしますが、半分作曲の課題みたいなものですから。

即興が好きで楽しみたい人向けのやつではなくて、イヤだけど試験に出るから仕方なく、という人向けのやつですね。テレビでやってるセンター試験の答え合わせ番組みたいな、ひどくつまらないやつ…(スミマセン)!!やろうやろう。5級くらいまでなら大丈夫!なはず・・・

posted by いのじゅん at 00:22 | 即興理論

2011年12月30日

進行の形を決めて即興演奏をする練習1

以前もどこかで書いたかも知れませんが、クラシックはいわゆる「お約束」のような進行や音形がいろいろあります。そういったものを即興で使えるようにするための練習として、ある程度前もって考えた枠組みのなかで、即興で曲を作っていく、という練習をしています。

まったくの白紙から即興するのではなく、簡単な設計図のようなものを作って、その設計図に当てはまる形で即興するという練習です。

これは、結局のところ「作曲する」という行為であるので、よくあるアドリブ練習とはまたちょっと違った感じのものになります。「クラシックな音楽」の作曲に慣れるためにも、この練習はいいのではないかなと思います。

なので即興演奏というより、作曲理論に近い話になってしまいますが、我慢してくださいね。


ちなみにこういう練習を繰り返していると、普通の作曲をするのがとんでもなく速くなります。まあ、5分の曲を5分で作る練習をしているわけですから、速くなるのも当然といえば当然です。

たとえばメロディーを渡されて、これに伴奏を付けてください、なんていうような事をするときなどはすごく速くできるようになります。即興の練習は、遅筆に悩んでいるミュージシャンにオススメですよ。僕の場合は、曲を作るときに「ああでもない、こうでもない」と悩む事がほとんどなくなりました。


話が飛んでしまってすみません。

ひとつ、ソナタの第一楽章の出だしを作るつもりで枠組みというか、プランを考えてみましょう。下の動画はモーツァルトの教会ソナタです。もちろんこの曲にもお約束がたくさん使われています。



この曲のはじめの10小節は序奏となっています。なんで4小節や8小節じゃなくて、中途半端な10小節なのか、ですが、この曲の8〜9小節目は完全にカットして、7小節目の次に10小節目を弾いても、違和感なく聞けると思います。というよりそうすることですんなりきれいにまとまります。

ですから、この2小節をあえて付け足したのは、すんなりといっても面白くないから、ここはちょっと派手目にやってやろう、というモーツァルトの意図が入っています。「次の小節でドミナントへ進むだろう」という聴衆の期待を裏切って、「さあ、いまから始まるよ、始まるよ」ともったいぶっているわけです。この2小節をフォルテで強調させているのがいい証拠です。ロックミュージシャンがステージで「行くぜ!行くぜ!」と言って盛り上げるけど、なかなか次の曲にいかないのと似たようなものです(!?)。


というわけで11小節目からみていきましょう。11〜12小節目と13〜14小節目はよく似た形になっています。15〜18小節目と19〜22小節目も似たようなフレーズの繰り返しになっています。

これは重要なことですが、西洋の文化に「対称性を重んじる」というのがあります。建築でも、お城や宮殿などで中央から鏡で映したみたいに左右対称になっているのものがよくありますが、そういう対称性は音楽でも大事にされているのです。ですから、そういうことにも注意しながら曲を作っていくのがよいと思います。

もうひとつ最低限の作曲知識として、いわゆるカデンツの機能式を踏まえておくのが良いと思います。よく見かける

T-D-T
T-S-T
T-D2(S)-D-T

の3つの式のことです。つまりトニック・ドミナント・サブドミナントの機能と進行についてのお約束です。


それから、上のカデンツの式に関連して、和声学で使う基本的な進行として

・I→何にでも進める
・II→Vにしか進めない
・IV→VI以外の何にでも進める
・V→IとVIに進める
・VI→I以外の何にでも進める

というのがあります。表にするとこんなチャートができてしまいます。

譜例27 和音進行表

というわけで、次回は実際に「枠組み」を使って即興の練習をするやり方について説明します。

posted by いのじゅん at 23:03 | 即興理論

2011年08月30日

即興演奏について どれだけ覚えなければいけないの?

クラシックは理論ガチガチなので、少なくとも覚えなければいけないことはたくさんあるように思います。ある程度おもしろい即興演奏をしようと思ったら、どれくらいのことを覚えた方がいいのかなと思ったので、羅列しました。

ちょっとうんざりするけれど、もし覚えてみたい、という方がいらっしゃったら、一気に覚えようとせず、少しずつ練習中に取り入れながら、頭ではなく指で覚えていった方がいいように思います。


1.全ての調性の長音階、短音階

長音階はまだいいですけど、短音階は三種類(自然短音階・和声的短音階・旋律的短音階)あるので面倒ですね。でもなぜ三種類もあるのか、ということを深く掘り下げて説明している本やサイトはあまりないようなので、また別の機会にその辺も書けたらいいなと思います。

長調12 短調12×3=36
全部で48種類!


2.全ての調性の固有和音

よく見かける下の表のようなやつです。ポップスでは「ダイアトニックコード」と呼んでいます。このうちIIIとVIIについては、特別な場合以外あまり積極的には使いませんので、覚えなくても良いです。短調にカッコ付きでシャープ♯が一つありますが、クラシックでは、短調でもV和音は必ずメジャーコードで使いますので、半音上げで覚えた方がよいでしょう。

C dur(C major)
譜例24 Cダイアトニックコード
a moll(A minor)
譜例25 Amダイアトニックコード

I、II、IV、V、VIの5種類×24の調性=120

さらに長調のとき同主短調(ハ長調ならハ短調)の和音を借りてくる準固有和音もありますが、これはあえて暗記しなくとも、やっているうちに自然と使えられるようになる(多分)ので省きます。

他にIIについては7th、Vについては7thや9thも非常によく使用するので、覚えたほうが良いと思います。特に短調のII7和音は、「マイナーセブンフラットファイブ」「ハーフディミニッシュ」などと呼ばれている、とても使い勝手の良い和音です。長調の曲にこれを借りてきて使うとドラマチックになります。ショパンのエチュードに分かりやすい例がありました。Op.10-1の、7小節目に出てきますね。

(譜面付きの動画がありました!バス音がGになっていて、倚和音として使ってますね)



ちなみに「覚える」というのは、例えば

「ハ短調のVI和音は?」

ときかれたら即座にラ♭ドミ♭の和音が弾けるようにする、ということです。口で答えられるようにする必要はありませんが、とにかく即座に弾けないと即興で使えませんので、そらで覚えてしまうのが良いです。キツいですね…。


3.借用和音

勉強しはじめたらキリがありませんが、副5度だけでも覚えると良いです。ポップスでは「セカンダリードミナント」と呼んでいるあれです。全ての調で、II、IV、V、VI和音の各ドミナントを覚えます。ただ、これは2.の固有和音を完璧に覚えればクリアできます。


4.近親調

属調(V度調)や下属調(IV度調)については、1.の音階と2.の固有和音を覚えた時点で問題なくクリアできます。それ以外に、平行調をそらで覚えた方が良いです。例えば

「フラット5つだったら何調?」

ときかれたらノータイムで

「Des dur(変ニ長調)かb moll(変ロ短調)」

と答えられるようにします。口で即答できなくとも大丈夫です。でも指では瞬時に答えられるようにします。ちなみに僕は口で答えるのは時間がかかってしまいます。「えーと、変……ニ長調」とかなってます。弾けりゃあいいんです。

シャープ、フラットそれぞれ7つずつあるので、何も無しと合わせて全部で15種類です。このうち、シャープ7つ、フラット7つについては理論として知っておく必要はありますが、暗記しなくても演奏ではなんとかなります。理由は、ピアノで弾いてみれば分かります。


5.変化和音

特に短調の和音の連結についてはいろいろと厄介だったので、昔の人は色々工夫をしてきました。その結果「増6の和音」や「フランスの6」「ドイツの6」「ナポリの6」などいっぱいできてしまいました。即興演奏でこういう和音を自在に扱えれば素晴らしいのですが、なかなか大変です。感覚でこういう和音を使いこなせるようにするのが理想ですが、そうはいかないかも知れません。それでも増6の和音だけでも覚えるようにすると良いと思います。好みの問題ですが、この和音はとても素晴らしい和音です。

ちなみに僕はこの辺を苦手にしているので、最近は短調の即興ばかり練習しています。


もちろんたくさん覚えればそれだけいろんな表現が使えるようになります。でもそれだけでクラシック即興ができるわけではなく、作曲の知識がちょっぴり必要です。でも作曲の理論を書きはじめるとここの主旨からどんどんはずれていきますので、特には書かないでおきます。

最終的には「es moll(変ホ短調)でナポリの6度を使って」と言われたら、例えば

譜例26 ナポリの6度
(音源)


のように、終止形までまとめた形をさらっと弾けるようにするのが理想です。ここまでできるようになればクラシック風即興の基礎はマスターしたも同然です。


いきなり全部の調性を勉強しようとすると大変なので、はじめに一つの調性について上の1.5.を集中的にさらったら、次はその近親調(属調か下属調)に移ってまた1.5.…という方法で順番にやっていくのがおすすめです。最終的に一周してはじめの調に戻ってくるので、そこがゴールです!


と、偉そうに書いている僕ですが、僕も勉強が不十分だったり、苦手な調はいっぱいあります。

というわけで頑張ります!

posted by いのじゅん at 02:05 | 即興理論

2011年07月25日

YAMAHAの…

ピアノ即興演奏練習書

という、いかにも凄そうなタイトルの本を結構前に買っていたのですけど、ずっと本棚に眠ったままになっていました。ヤマハ音楽振興会というところから出ているようです。こういう本を買うのは初めてなので興味津々です。

「伴奏編」とあります。他に「変奏編」という本もあるそうです。

YAMAHAの…

パラパラパラとめくった感じでは、即興演奏の実践的なことが書いてあるわけではなくて、単に作曲の技法に関することがつらつらと書いてあるだけのような気がしたのですが…うーん、どうなんでしょうか!!?


とにかく、巻末の「実習課題 総仕上げとしての〜」というのをやってみました。

なんと、これは。難しい…!

初級あたりは、少し危ないながらもなんとか一回でいけるのですが、中級、上級は一回ではちょっとキツイです。どうしても一、二回弾き直すか、あるいは二、三箇所引っかかってしまうか、でないと最後までいけません。

なにしろ課題のメロディーが分かりやすいだけに、和音進行はほぼ一本道。曖昧な和音でごまかすわけにはいきません。

これは…なかなか…骨のある課題ですね。


と思ってよく調べたら、こういうのを実際に試験でやるときはあらかじめ「予見」と言って、譜面を見る時間が何分か与えられるそうです。

なあんだ、そうだったのですね。

どうりで何か変だと思いました。てっきり初見で付けなければいけないのかと思っていたら、そういう課題ではなかったようです。


でも、それだと単に

「頭の中で付けた和音進行、伴奏を、実際に弾くまでの間に覚えられるかどうか」

という、記憶力を磨くためだけの課題のような気がするのですけど…少なくとも即興演奏を磨くのには、役には立たないと思いますよ!


さらに調べると、この本はヤマハがなんかやっているグレード検定を受ける人のための、勉強の本らしいです。

でもやっぱり、そのヤマハの検定がやっているのは即興演奏とは違うような気がするのですけど、あえていうなら「スピード作曲(編曲?)」なんですけど、ヤマハの定義ではこれが即興演奏なんですね。さては、これが世の中の混乱の原因だったのですね!!「即興」についての。

僕がやっているような即興演奏を磨くためには、課題を初見(予見なし)でやる方がよいと思います。激ムズになりますけれど。

posted by いのじゅん at 22:13 | 即興理論
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